お金ってなんだろう?
私はお金に関係する仕事をしています。
誤解をおそれずにいえば、お金が好きです。
あらためてお金ってなんだろうと考えてみました。
お金って、物質的には紙や金属です。それどころか記録に過ぎません。
なのに、それをみんな一生懸命に取りにいき、いろいろなドラマが起こります。
やはり、それってお金は現代では自分が好きなように、いろいろな物や価値(サービス)に便利に交換することができるからなんですよね。
でも、その物質自体にそんなに価値はありません。
だから、紙や金属、ましてや記録は信用がなければなりません。ということで、お金は通常、国や銀行が発行、記録しているんですね。
そうすると、発行、記録している者をみんなが信頼しなくなったら、お金は意味がなくなります。だから、新興国や政情不安な国へ行くと、その国のお金は信用されず、人々は銀行にお金を預けることをしないこともあります。
そう考えると、現金志向が強いとされる日本は、なんだかんだ言っても、やっぱり国や銀行は信用されているんですね。
なぜお金をたくさん欲しいのか
そう考えると、なぜ我々はお金をたくさん欲しがるのか、納得ができます。
いろいろな物や価値(サービス)に便利に交換することができれば、幸福感が増すからです。
なぜ、幸福感が増すかというと、ひとつは、時間のストレスが少なくなるからです。同じところに行くとしても、飛行機や新幹線に乗れば在来電車や自動車で行くよりも早く到着できます。
ふたつめは、快適さを得ることができます。同じ時間でも、周りを気にしなくてよい個室や快適な座席などの空間を享受できます(ファーストクラス、ビジネスクラスやグリーン車など)。
つまり、お金に余裕があれば時間や快適さを得るための選択肢が増えるということになります。
お互いがよくても税金は別
そうすると、時間や快適さを得るための幸福感に、それを提供してくれる者に対してお金を払うことになりますので、幸福感を得たい人とそれを提供するひとの共通のものさし、目安が価格ということになります。
お金は交換価値を客観的な数値で示したもの(金額)なのです。だからお互いに納得した金額で取引が成立すれば万事OKなはずなのです。ですが、税金がからむとそれで終わらない場合もあります。
例えば、一人暮らしになってしまったおじいさん(おばあさんが)、広すぎる家屋敷をこれから家族が増えるかわいい孫家族に譲ろうとします。自分は余生を過ごすための小さい家で十分なので、すごく安い価格で孫に譲りました。
これなら、お互いに納得した価値の交換ですからなんの文句もないはずです。
ところが、税金の世界ではすごく安く買うことができた孫には通常であれば払うであろう、価格(時価)と実際に払った価格差がもらって得をしたという考え方から、税金がかかってしまうことがあるのです。