ブラック企業人心掌握術

雇ってあげている

令和5年分の所得税確定申告期限をむかえようとしています。税理士・会計事務所業界は俗に言う、繁忙期です。私もつらい奴隷時代のことを思い出します。あらためてブラック企業の会計奴隷人心掌握術を自分なりに整理します。

まず、奴隷には雇ってあげているという意識を徹底的に植え付けます。もう、ここで働けなくなったら、他に行くところはないよ。こちらは雇ってあげているのだから多少の(多少ではありませんが)犠牲は我慢してね。ということです。

雇用主と労働者は対等の立場で雇用契約を結んでいるという法律の原則は無視されます。ですので、給料日には雇用主である所長税理士に「給料ありがとうございます。」という意思表示をしないと叱責されます。

本来は、契約に基づき、労働力を提供した対価を受け取っているに過ぎません。

会計奴隷には、自分は仕事ができないから周りに迷惑をかけているという意識を徹底させます。それが上記の「雇ってあげている」という意識づけに役立ちます。仕事ができないどころか不可抗力であってもそこを責め立てます。

私もこの繁忙期はインフルエンザが流行する時期であるので、これにり患して休んだ同僚に対して雇い主の所長税理士が叱責した現場にいたことがあります。その場でみんなに対して謝罪させるのです。

その人に責任がない、不可抗力に対して迷惑をかけているとして、謝罪させる。そうすれば自分が悪いので法律違反の犠牲も許容すべきという議論にすり替えるのです。

最後に、ムチばかりではさすがに奴隷も人間。死んでしまう(病めてor辞めて)ので、アメも与えます。あくまで生かさぬよう、殺さぬようなので、正規の給料手当は支払いません。

慰労会という名の飲食会です。ここでも、違法行為に対して雇用主の一抹の心理的罪悪感を軽減するためなのに、奴隷の福利厚生という名目に差し替える人心掌握術です。

ここで心身ともに疲れ果ている、雇ってあげてる感、周りに迷惑をかけていると洗脳された奴隷に感謝させるのです。

こうならないために、自分でリスクを負って事業主として生きている皆さんです。
事業で失敗して、奴隷になってしまうことを避けるために一緒に会計から頑張りましょう！

会計で○○を強くする。このある業界の最大派閥のスローガンは正しい。それを悪用する一部の幹部が問題なのです(どこの世界でも同じ)。